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AI時代、メディアの価値は「送客」だけではない
「選ばれる理由」をつくる、メディアの新たな価値と収益機会|メディア向けセミナーレポート

バリューコマース株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 最高経営責任者:香川 仁)は、2026年10月23日、アフィリエイトサイト・メディア運営者を対象としたセミナー動画「AI時代、メディアの価値は『送客』だけではない ― CVに加え、『選ばれる理由』をつくる記事へ ―」を、アフィリエイト管理画面で限定公開しました。

AI検索の普及により、生活者の情報探索や購買意思決定のあり方が変化するなか、メディアに求められる役割も変わり始めています。

セミナーでは、従来の集客・送客・CVに加え、メディアがブランド理解を形成する価値に着目し、ナラティブ・マーケティングの考え方や、記事の価値を可視化するNarrative Score、さらに広告主・メディア・当社の3者による事業化に向けた取り組みを紹介しています。
本レポートでは、セミナーの内容をもとに、AI時代におけるメディアの新たな役割と、その価値を収益機会へとつなげる可能性を解説します。

メディアの価値は「送客」から「ブランド理解の形成」へ
AI検索の普及によって、メディアの価値を捉える新たな動きが始まっています。

その一例が、朝日新聞社が2026年9月に開始した「AIO/GEOタイアップ」です。

広告主の商品やブランドに関するタイアップ記事を制作し、生成AIの回答におけるブランドの言及・引用を目指す広告メニューです。記事の公開前後でAI検索におけるブランドの言及・引用状況を調査し、その変化をレポートする仕組みも設けられています。

長年にわたり良質な記事による情報発信を担ってきた大手新聞社でさえ、AI検索による環境変化を受け、メディアの価値を捉え直し始めています。従来のPVやクリック、送客だけでなく、「記事がAIにどう参照され、ブランド情報がどう扱われたか」まで広告商品の価値として捉える動きがすでに始まっています。

これまでのアフィリエイトメディアは、検索からユーザーを集め、記事を通じて広告主のサイトへ送客し、購入や申込みにつなげることで収益を生み出してきました。いわば「集客→送客→CV」が、メディアの価値を支える基本的な構造です。

その一方で、AI検索の普及によって、入口となる検索流入には変化が見られます。海外では、主要メディアの自然検索流入が減少する一方、有料検索への支出が増えています。*¹ SEOや検索流入の価値がなくなるということではなく、「良い記事を書けば、検索から自然に人が集まる」という従来の前提だけでは、メディアビジネスを成り立たせることが難しくなりつつあるということです。

*¹ 出典:Mark Stenberg, “Publishers Are Spending Hundreds of Millions a Month Buying Traffic,” ADWEEK(2026年9月)
https://www.adweek.com/media/publishers-buying-search-traffic/

AIが変えるのは「検索」だけではなく、商品の選ばれ方そのもの
AI検索による変化は、メディアへの流入減少だけにとどまりません。より本質的なのは、生活者が商品を知り、比較し、選ぶまでの意思決定プロセスそのものが変わり始めていることです。

電通グループが2026年に提唱した購買行動モデル「AIJES」では、人とAIが情報の蓄積、問答、判断、参加、評価を循環させる新たな購買行動が示されています。従来のAIDMAやAISASではAttention(認知)とInterest(興味)を起点としていましたが、AIJESでは必ずしも認知や興味をマーケティングの起点としない購買行動が想定されています。

例えば、これまでPCを選ぶ際には、「PC おすすめ」などのキーワードで検索し、複数の記事を読みながら、スペックや価格を自分で比較するのが一般的でした。しかしAIを使えば、「営業職で週4日外出」「電車移動が多い」「ZoomとPowerPointが中心」「予算は15万円程度」といった条件をまとめて相談できます。

AIはさまざまな情報を集め、比較・整理し、ユーザーの状況に合った候補を提示します。これまで生活者が記事を読みながら行っていた情報収集や比較・解釈の一部を、AIが担うようになっているのです。こうした環境では、商品スペックや公式情報だけでなく、「誰に、なぜ選ばれるのか」を説明できる情報が重要になります。メディアの記事は、生活者が直接読むコンテンツであると同時に、AIや生活者が判断するための情報資産としても、新たな価値を持ち始めています。

ブランド競争は「見られる」から「語られる」へ
AIが生活者に代わって情報を収集・比較する時代、ブランドを形成するのは、企業が発信する広告や公式情報だけではありません。第三者によって、ブランドがどのように語られているかが、これまで以上に重要になります。

その象徴的な事例が、米国の飲料ブランド「Dr Pepper」です。*² ファンによるDirty SodaやProtein SodaなどのアレンジがSNSを通じて広がり、企業が一方的発信するだけでは生まれなかった、新しい飲み方や楽しみ方が浸透しています。ブランドの価値は、企業自身の発信だけでなく、生活者の体験や会話によっても形づくられているのです。

AIもまた、企業の公式サイトだけでなく、比較記事、レビュー、SNS、動画、クチコミ、専門メディアなど、さまざまな第三者情報を収集し、ブランド理解の材料にします。つまり、「社会の中でブランドがどのように語られているか」がAIによるブランド理解や推奨にも影響し得るのです。

企業の広告や公式発信を通じて多くの人に届ける「見られる競争」から、生活者の体験、メディアのレビューや比較、コミュニティの会話などを通じて、ブランドがどのように理解されるかをめぐる「語られる競争」へ。この変化を捉え、ブランドが「誰に、どのような文脈で、なぜ選ばれるのか」を設計する考え方が、ナラティブ・マーケティングです。

*² 出典:広告費8分の1でもペプシを上回るドクターペッパー AI時代の勝つ条件(2026年8月)
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/01932/

ナラティブ・マーケティングは「クチコミを増やすこと」ではない
ナラティブ・マーケティングは、単にクチコミや露出を増やす施策ではありません。重要なのは、「誰に、どのような文脈で、何を語ってもらうと、ブランドの選ばれる理由が広がるか」です。

例えばPCの「バッテリー最大15時間」というスペック(Feature)も外回りが多い営業職の「途中で充電できる場所を探すのが大変」という課題と結びつくことで、「充電場所を気にせず仕事を続けられる」という意味(Meaning)に変わります。さらに、実際の使用体験を通じて「外出先で一日働く営業職におすすめ」と語られることで、その人にとっての選ぶ理由になるのです。

商品特徴を伝えるだけではなく、誰の、どのような場面で、なぜ価値があるのかまでつなげる。実際に使ってどうだったのか、他の商品と何が違うのか、どのような人に向いているのか。こうした推薦理由・体験・比較・評価を通じて「選ばれる理由」を具体的に伝えられることこそ、メディアが持つ重要な価値です。

アフィリエイトメディアが持つ、新たな価値と収益機会
アフィリエイトメディアには、レビューや比較記事、ランキング、専門解説など、多様なコンテンツが蓄積されています。そこには単なる商品情報だけでなく、「実際に使ってどうだったか」「他の商品と何が違うのか」「どのような人に向いているのか」という意思決定を支える情報が含まれています。
AI時代になったからといって、新しい価値をゼロから生み出す必要はありません。これまで蓄積してきたコンテンツを、「送客のための記事」という一面だけでなく、ブランド理解を形成する情報資産として捉え直すことができます。
つまり、メディアの役割は、従来のTraffic Producer(集客・送客を生み出す存在)に加えて、Narrative Producer(ブランドが選ばれる理由を生み出す存在)へと広がっていきます。重要なのは、送客やCVの価値を否定することではありません。これまでの収益モデルに、ブランド理解を形成する価値を加え、メディアの新たな収益機会を生み出していくことです。

「選ばれる理由」を可視化する「Narrative Score」
メディアが生み出す物語の価値を、新しいビジネスにつなげるには、その価値を客観的に評価できる仕組みが必要です。そこでバリューコマースが開発したのが、記事に含まれる「選ばれる理由」を可視化する独自指標がNarrative Scoreです。

Narrative Scoreでは、記事を次の5つの観点から評価します。
• 課題の明確さ:誰の、どのような課題を解決する記事なのか
• 売り込みの抑制:過度な宣伝に偏らず、中立的に情報を伝えているか
• 意思決定プロセス:どのように検討し、なぜその結論に至ったのか
• 具体性・エビデンス:数値、実体験、公式情報など、判断できる根拠があるか
• 比較・葛藤軸:何と比較し、なぜこちらを選ぶのか

実際に、AIO(Google AI Overviews)で参照される上位記事50本と、ランダム抽出した記事50本を比較したところ、平均Narrative ScoreはAIO上位群で74.5点、比較群66.3点となりました。また、スコア80点以上の記事の割合もAIO上位群で48.0%、比較群で8.0%と、大きな差が見られました。※
特に差が大きかったのは「課題の明確さ」です。単なる情報量の多さだけでなく、「誰の、どのような課題を解決する記事なのか」という文脈設計の重要性が表れています。
もちろんNarrative Scoreが高ければAIに参照されるというわけではありません。しかし、従来のPVやCVとは異なる観点から記事の価値を可視化し、コンテンツの制作・改善、さらには新たな評価軸の確立につなげていくことを目指しています。

※バリューコマース株式会社による独自調査。通信業界を対象に、ミエルカGEOで計測した30日間のAIO参照実績上位50記事と、2026年上半期にリファラー情報を取得できたアフィリエイト記事から無作為抽出した50記事を比較。各記事のNarrative Score(100点満点)を算出し、平均値・スコア分布・評価項目別の差を分析したもの。「送客」の先へ。メディアとともに新しい市場をつくるバリューコマースが目指しているのは、従来のアフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)の枠を超え、ナラティブ・マーケティングを通じて、ブランドが「選ばれる理由」を社会に広げていくことです。
その実現には、広告主とメディアをつなぎ、CVや売上だけでなく、ブランド理解を形成する価値にも対価が支払われる、新しい市場をつくる必要があります。

その取り組みは、すでに始まっています。あるPCメーカーとの施策では、従来のCV獲得に加え、「ブランドをどのように理解してもらうか」という観点から記事を企画しています。

PCの「軽い」という商品特徴を、持ち運びやすさや外出先での使いやすさといった利用シーンに結びつけ、生活者にとっての「選ばれる理由」を伝えるコンテンツづくりを進めています。
この施策では、従来のCV報酬とは別に、ブランド理解を形成する記事の企画・制作そのものに予算が付いています。つまり、送客やCVだけでなく、メディアが生み出す物語そのものに、広告主が対価を支払う取り組みが始まっているのです。新しいメディアビジネスを支えるNarrative Marketing Platform「NAINS」(ナイン)
バリューコマースが目指すのは、こうした取り組みを一部の広告主やメディアにとどめず、継続的に展開できる仕組みをつくることです。その中核となるのが、Narrative Marketing Platform「NAINS(ナイン)」です。

NAINSは、アフィリエイト記事やSNS、レビュー、AIの回答などから、社会に存在する物語を収集・分析し、ブランドが「誰に、なぜ選ばれているのか」を捉えます。さらに、Narrative Scoreなどを用いて記事の価値を評価し、次にどのような「選ばれる理由」を広げるべきか、どのチャネルや切り口が有効かを考え、実装につなげます。

その実行を担うのが、ふたつのネットワークです。
Narrative Supply Networkは、メディアの比較・レビュー・専門解説・体験などを通じてブランドの物語を社会に広げる役割。Conversion Networkは、そうして形成されたブランド理解を商品購入や申し込みといった成果につなげる役割です。
これまでのアフィリエイトが強みとしてきたConversionの価値に加えて、物語を生み出すSupplyの価値を加える。そして、その結果を分析し、次の施策へフィードバックする。NAINSは、この循環を継続的に生み出すことで、メディアの新たな価値をビジネスとして成立させる基盤を目指しています。

「選ばれる理由」を、ともに社会へ広げる
AI時代において、メディアの価値は「集客・送客・CV」だけにとどまりません。独自の視点や専門性、体験に基づく情報を通じて、ブランドが「誰に、なぜ選ばれるのか」を伝えることも、メディアの重要な役割になっていきます。

バリューコマースが目指すのは、こうしたメディアの価値を正当に評価し、新たな収益機会へとつなげることです。これまでのアフィリエイトビジネスで培ってきた強みを活かしながら、ナラティブマーケティングという新しい市場を、広告主・メディアの皆さまとともにつくっていきます。

メディアの価値を、送客の先へ

その新しい可能性を、ともに切り拓いていきましょう。

講師紹介
冨松 由真(Yuma Tomimatsu)
バリューコマース株式会社
事業推進室 兼 パフォーマンスマーケティング本部 クライアントセールス2部
2024年にバリューコマース株式会社へ入社。データ分析業務と、広告主と直接向き合うフロント営業の両面を担当し、分析結果を営業提案や広告主へのコンサルティングに落とし込む業務に従事。現在はPCカテゴリの広告主も担当し、データから課題を捉える視点と、顧客との対話から施策を設計する視点の双方を活かしながら、広告主支援に取り組んでいる。

本レポートの内容に関するご質問や、お客さまからのご相談は、以下の窓口までお問い合わせください。
バリューコマース株式会社
E-mail:mw_media_os@valuecommerce.co.jp

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